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中学生の【職場体験】は意味があるの?

中学生のカリキュラムに「職場体験」というものがあるのはご存知でしょうか?

私が中学生の頃(35年前)は記憶にも無いし、きっと無かった、もしくは一般的で無かったんだろうなと思います。

 

 

職場体験とは

職場体験は文部科学省が掲げているキャリア教育の一環で、平成14年4月施行の学習指導要領に

勤労生産・奉仕的行事・・・勤労の尊さや創造することの喜びを体得し、職業や進路にかかわる啓発的な体験が得られるようにするとともに、ボランティア活動など社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うこと。

といった内容があることからこの頃からスタートしたと思われます。

どおりで我々世代が中学生の時には無かった訳ですね。

まあ、あれば忘れることは無いでしょうからね。

平成17年度には全国の91.9%で職場体験が行われることとなり、平成29年度においては、98.6%が実施している(国立教育政策研究所調べ)ことから、職場体験を行わない学校はほとんどないのが現状です。

最近はサラリーマン家庭が圧倒的に多く、自分の両親が自営業で、自宅が工場やお店になっている子供は少なくなっています。

仕事というものを目の前で見る機会が大きく減って、勤労そのものが漠然としています。

自分の家が自営業の場合「お手伝い」と称して、その仕事を体験することも出来ますが、そういう家はメっきり少なくなりました。

そのため、学校の授業でわざわざ職業体験というものを入れないと、仕事とは、勤労とは、創造とは等をどんなものかを伝えにくい世の中になっているのかもしれません。

 

 

職場体験を行うメリットは

職場体験を行うメリットですが、職場体験をすることにより、学校卒業後、社会へ出て行く際に勤労観や職業観といったものを持つことが出来、学生生活と社会人生活ギャップを埋める効果があるというのが大きいでしょう。

出来るだけ若い時代に「働く」という感覚を教えることで、社会人になることに抵抗をなくすように出来るのでしょう。

高校、大学のインターンシップの前段階として、職場体験は意味のあるものなのかもしれません。

また自分の住んでいる地域にどのような会社や施設があり、そこで誰がどのような仕事をしているのかを知る良い機会になります。

そうすれば、お店や施設を利用するときに、大雑把ですが、仕組みがわかって利用できる。

いかに働いている人々の力が大切なのかを身をもって知ることができるという点はメリットでしょう。

 

 

職場体験のデメリットは

ではデメリットはどうでしょうか。

まずは学校側での問題です。

「体験できる職場を探すことに苦労する」という実態が挙げられます。

人手不足の今、職場体験を快く受け入れてくれる事業所を探すのはなかなか大変です。

先生方も苦労されていることでしょう。

企業側も人員をそのために割かなければならないというのは痛手です。

企業は社会貢献も大切だとどこの企業もわかっているのですが、現実は厳しいのです。

では子供達の視点でのデメリットはどうでしょう。

この数年間で実社会の労働内容が大きく変化しています。

実際に子供達が体験に行くのは、スーパー、コンビニエンスストア、飲食店、軽作業の工場、公共施設等の限られたものになっています。

当然、前出の職業に就くものもいますが、現状から考えると、将来的はオフィスワーカーとなる者が一番多いはずです。

または現在はYoutuberやITエンジニアといった数年前には存在しなかった職業があり、さらにそれ以上に新しい職業が登場する可能性は十分にあります。

そういった職業の体験は出来ないですし、そういった職種の会社が存在しない地域もあります。

また、私が最も重要だと思っている点ですが、今職業を体験しても実際に体験するだけで、労働の対価を得ることが出来ないということです。

労働の種類は問わず「価値を提供して、その対価としてお金を貰う」という現代のシステムを知ることが一番重要なのですが、それは体験できません。

お金の教育も出来、一石二鳥だと思うのですが、学校の授業内として対価を得る行為は問題もあるのでしょう。

 

 

まとめ

小中学校時代に働く人を見たり、働くことを経験してみるというのは良いことだと思います。

もっと職種を増やして積極的にやって行くべきだと私は思います。

ただし、現実問題として体験できる職場は少ないですし、どんどん減ってくるように感じます。

現在、小中学校では、職場見学や職場体験に協力してくれる企業等を探しています。

もちろん危険が伴ったり、公序良俗に反するような業種はダメです。

その中でも協力企業にオフィスワークやIT企業、エンジニア系はあまりないのが現状です。

一口にオフィスワークといっても様々な仕事があり、多くの子供達が将来的に就く仕事でもあります。

小中学生にとっては ”何をやっているのか?” がナカナカ理解できないし、働いている側もわかりやすく説明できないのもオフィスワークの特徴ではないかと思います。

自分の両親がどんな仕事をしているのか知らない子供達も多いことでしょう。

まあこれは私からの提案ですが、学校から職業体験の要請があった場合には是非受けてみてはどうでしょうか。

「自分の会社がどんな会社で、何をしているのか」を小中学生を通して社会に知ってもらえるチャンスかもしれません。

そういった体験を通じて将来の「この会社で働きたい!」という子供達が出てくるかもしれません。

そこに有能な人材が隠れているかもしれませんよ。